今年の猟期は11/6の土曜日にスタート!

11/1から猟期は始まっているのだけど休日祝日の関係で11/6が犬を使っての巻き狩りの初日。

(11/3も祝日でしたが水曜日で動物病院がお休みのために猟はお休み 犬が怪我したら対応できないため)

6日の初猟はアイと山に入るも残念ながら小さなイノシシを追いかけてしまい、しかも牙がないアイちゃんは押さえきることが出来ずに逃げられて終了となった。

7日はアイちゃんの子犬たちも一緒に山に入りデビューすることに。山に入る前に猟友会のグループで山道の除草と倒木の除去。

自分たちが猟をするためでもあるが地域の山道を保全することにもつながる。一時間ほど汗を流して山に移動。

今日デビューするのはアイちゃんの子供たちの中でワグとリンの二頭。長男のワグと妹のリン。アイちゃんによる狩猟教室の開始。

アイちゃんは背中で教えるタイプの教師なので必死にくらいついていろいろと学び取って欲しい。

(ちなみに僕も勢子としての技術をアイちゃんから教わって押し上げられた)

山についてGPSの発信機の付いた首輪を装着。

「アイ、ワグGO!」

三頭を放す。走り出す三頭。が、あっという間にみんながついてるシガキ(銃を持ちイノシシを待ち伏せする猟師のこと)の待っている方向とは真逆に走り出す。

笛を吹いて呼び戻そうとするが戻らずにあっという間に300mも離れてしまう。

今日はリンの飼い主の勢子マイスターのシゲさんと一緒に山に入っていたのでシゲさんが軽トラで戻って連れ戻しに行く。

すると道のそばから軽トラに向かって山を出てくる三頭。アイとリンをケージに入れて山に戻ってくるも、アイの頭に血がついている。

出血していたのはリンで山の中で走ってる間に野いばらのトゲか何かで口を切ってしまったらしい。

リンちゃん離脱でアイとワグの二頭で改めて山に入る。

斜面をすごい勢いで駆け上っていく二匹……猟期前に少し太り気味に感じていたアイちゃんだか10月からの数回の駆除と昨日の猟ですっかり猟勘を取り戻している。

一気に走り二頭と一緒にみんながシガキにつく北に向かう。僕から100メートル西側を北に向かって移動している二頭……だったのだがまた一気に西に走り出して山を抜けて道路を越えて西側の別の山に。

アイちゃんは理由なしに山を変わったりしないので何かを追ったか?

「アイとワグが向かいの山に入りました。シガキをあげてあっちの山でシガキについてください」皆に無線を入れて山を下りる。

その頃には距離が離れすぎてしまいGPSの電波が途切れがちになって……するとGPSに犬がイノシシを止めた絵がでる。

GPSの親機には液晶画面がついていて犬の動きがだいたいわかるようになっている。犬の移動速度によってGPSが犬が走っている、犬が止まっている、犬がイノシシを止めているということが分かるようになっている。

犬がイノシシを止めているという状態はシダに中にいるイノシシを犬が吠え声をあげて逃げられないように追い込んでいる状況を示している。

この状態の時に一刻も早く追いついてやることが大事なのだが、現状道を挟んで反対の山。

大急ぎで尾根を越えて浴(谷)を下りて道路にでる。

この時点で汗が出て息が切れる。もう10分以上イノシシを止めている絵のままだ。地図で見ると大きな池の上のシダの中にいるからそこでイノシシを止めているのだろう。

「アイがイノシシを止めています。今からそっちに入ります」無線に入れて全速力で山に向かう……が、そこで犬が走り出した表示。

「犬が動き出しました。陶器屋の方!」陶器屋というのは窯元があるのでそう呼ばれている方向。

またGPSの距離がぐんぐん伸びる。吠え声はまだ聞こえないがそばまで近づいていただけに残念。

北へ移動していくのでそれに合わせて移動する。

「みんながついてるシガキの方に向かっています。僕は途中の浴から入ります。あの奥にいます」

無線を入れつつ移動。どんどん移動して北へ向かう。途中でリンを連れて帰り治療していたシゲさんが復帰の無線「戻ってきたよ~」

助かる。軽トラで山の反対側から入って貰う。犬のGPSは止まってる。地図で確認するとそこにも大きなシダがある。逃げ出したイノシシがもう一度止まったか?

「小さいイノシシをワグが咥えてる。ギ――――って声が聞こえた」

シゲさんから連絡が入る。ああ、小さいイノシシが先に逃げ出してそれを追いかけていたらしい。

「ナイフで止めさしたよ」シゲさんからの無線。

肩の力が抜ける……ホッとしたがあと150m、アイちゃんとワグの元へ急ごう。

「ワグが咥えて動けないようにしてた」シゲさんに言われて見ると15㎏はありそうな想像よりも大きなイノシシ。

昨日は同じシチュエーションで牙のないアイちゃんはイノシシに逃げ切られてしまったのでまさにワグのお手柄。

デビュー戦でアイちゃんの移動を完全にトレースして、大きなイノシシを吠えて止めるアイちゃんを見て(一緒に吠えていたかは近づけなかったので確認できず)、最後はイノシシを咥えて止める経験までした。

ワグの初猟としては想定以上の猟果。獲れたイノシシよりも積めた経験の価値が大きい。

この冬はもちろんジビエも頑張るが、犬の育成が大きなウエイトを占める。

アイちゃんと一緒にアイちゃんの子供たちを一人前の猟犬に育てたい。今日は怪我をして途中離脱したリンちゃんも次回は経験を積めるように頑張りたい。

今回は最初の山から小さなイノシシを追って山を移動。シダにイノシシが潜り込んだところで付け変わって別の大きめのイノシシを吠えて止め、その後そのシダから一足早く逃げ出してしまった小さなイノシシを追いかけて二匹で食い止めた。

これが今回の猟の流れだけど、初めての猟では大変な経験だったようでワグは帰りのケージの中ではもうグッスリでした。

まだシャンプーはあんまり好きじゃないですが、山で汚れたので洗ってやると大人しく洗われて……一つ一つ成長していく二世たちに楽しみが増えました。

今年の猟期も安全に楽しくやっていこう。